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Last-modified: 2017-09-12 (火) 05:35:02 (2418d)

次の日、ルイズ達を学院生の歓声が包む
だが、その中に才人は居なかった
怪我が元で式典に参加出来なかったのだ
「才人さんはやっぱり凄いです。林檎剥いたので食べて下さい。はい、あーん」
此処はルイズの部屋
学院の不始末で負傷したので、本来は医務室に運ぶべきなのだが、ルイズが頑なに首を縦にふらなかったのだ
モンモランシーは最早、才人の主治医と化している
才人の世話を焼いてるのは勿論シエスタ
マルトーから、
「我らの剣が、不自由無く行動出来る迄、帰って来るな」
と送り出されたのだ
「なんであんたは、またボロボロなのよ。左手なんか機能してるのが不思議なくらいだし、脚の筋肉も断裂してるじゃない。魔法にだって限界有るんだから、もっと自分を大事にしなさい」
「モンモン、毎度毎度悪いな」
「モンモン言うな、この馬鹿。あんたのせいで、治療魔法ばかり上達しちゃってるじゃない。第一こんなになる相手とやりあって怖くないの?」
それを聞いて、シエスタが真剣な目をして才人を見つめる
「怖く…、ないんですか?」
「怖いに決まってるさ」
「じゃあなんで?」
「可愛い女の子を守る為なら、男は百人力を出すのです」
右手でガッツポーズを作る
「ふざけんのもいい加減にしなさい、この馬鹿」
「あだ」
モンモランシーに頭をはたかれる
「今日の治療魔法で歩ける迄にしとくけど、暫く安静よ。トイレは其処のメイドに頼みなさい」
「済まんね、シエスタ」
「いえ、構いません!! むしろ、ばっちこいです!!」
シエスタが張り切って答える
「済まないんだけど、早速小の方が」
「はい!! 準備出来てます!!」
しびんを取り出し、早速ズボンを脱がされるが、モンモランシーは退室せず平然と座っている
「あ〜モンモン」
「何よ?」
「ちょっと恥ずかしいかなぁと」
「私は恥ずかしく無いわよ?」
「乙女の恥じらいは何処行った?」
「あんたの裸なんか散々見てるわよ」
「それもそうか」
「それとも見られると興奮するの?」
「溜ってるから、否定出来そうに無い」
其所でシエスタが真っ赤になる
「あの…才人さん、そういう事が必要なら私に言って下さいね」
「え〜と」
才人が答えに窮してる間にも、しびんを才人の股間にセットし、竿を手の平で刺激しながら誘導する
「あ〜シエスタさん」
「はい」
「もしかして、わざとですか?」
「勿論です」
顔に唯一動く右手を当て嘆息する
「ねぇ」
「何?モンモン」
「もし、今回みたいにルイズじゃなくて、私が襲われても、同じ様に守ってくれる?」
「ギーシュが居ればギーシュに譲るぞ」
「ギーシュじゃなくて、あんたに聞いてるのよ」
「当たり前な事聞くな」
「ミスモンモランシ、それはどういう意味でしょう?」
シエスタが刺激をずっと与えてた息子が、握力に潰されそうになる
「握るなぁ、あだだだ」
「別に大した意味は無いわよ。この馬鹿は、相手が貴女でも同じ答えを返すもの」
「才人さんはそういう人ですもんね」
シエスタの笑顔が怖くなる
「ええ、そうね」
モンモランシーもにっこり返す
「それより、そろそろ離さないと、別の物が出てるわよ」
「へ? きゃぁ、才人さん」
才人は泡を吹いて気絶していた

「モンモン、何であんな事聞いたんだ?」
才人が気絶から目を醒ますと、シエスタは先程の尿の始末と食事の用意に席を外していた
「ん〜、少し不機嫌だったのは認める」
「それだけか?」
「私にも色々あるのよ」
「そうか」
「聞かないの?」
「聞いて欲しいのか?」
「まだ、そこまでじゃない」
「俺で良ければ話せる時に話してくれ」
「ん、本当に優しいのね」
「気のせいだろう?」
「また、そうやって煙に撒くんだから。あんたが人気有るのも当然ね」
「そうかい?」
「ねぇ、私の事どう思う?」
「毎回迷惑かけて、非常に済まないと思ってる」
「そうじゃなくて」
「女としてか?」
こくりと頷く
見ると、拳を膝の上で握り締め、緊張している
「スタイルは綺麗だし、とても魅力的だよ」
「ルイズより?」
「ルイズとは違う美しさだと思う」
「嘘つかないで」
「真面目に聞いてる時に、茶化したりしないさ」
「だって、私そばかすあるし、胸もキュルケみたいに大きく無いし」
「そばかす含めて、綺麗だって思う俺は変なのか?」
「本当に?」
「ああ、それに香水も強すぎない香水で凄く良いね、俺の国じゃ香水使う習慣が最近までなかったから、ひたすらキツイ香水付ける女性多いんだよ」
「怪我人相手に強いのなんか使わないわよ、馬鹿」
「香水の二つ名は伊達じゃないと」
才人は軽く目を閉じた為、モンモランシーの表情を見逃した
「ねぇ」
「何だ」
「溜ってるんでしょ?」
「貴族のお嬢様が使う言葉じゃないだろう?」
「茶化さないで、私は水のメイジよ。身体の仕組みは、医者には劣るけど、他のメイジより知ってるの、当然男の生理も把握してるわ」
「まさか?」
「私じゃ駄目?」
「さっきのは此の前振りか?」
「やっぱり駄目なんだ」
「勘違いするな。OKなら、むしろやりたい位だ。でもこんなに世話になってるのに、其処までして貰う必要は無いよ」
「強情ね」
「世話になってる相手に、うぐっ!?」
突然唇を塞がれる
ただ、それで精一杯の様で、特に舌を使ったりはしてこない
暫く待ってもそれ以上してこないので、試しに自分から舌を入れてみる
嫌なら離れるだろう
「ん!?」
モンモランシーの舌に舌を這わせる。初めての刺激にモンモランシーは最初びくつくが、次第に積極的に絡める様になってきた
呼吸が厳しくなった所で離れる
二人の間で唾液がつーと繋がる
「キスって、凄い」
「本当にする気か?」
「嫌なの?」
「身体動かないし」
「解ってるわよ、だから口でなら良いでしょ?」
「ギーシュに悪いし」
「ギーシュは関係無い!!」
「成程、悩みはそれか」
「いつもは鈍い癖に、なんでこんな時は鋭いのよ、馬鹿」
「ギーシュとモンモンは似合いだぞ」
「似合いじゃない。何も知らない癖に」
「そうだな。ギーシュの事嫌いなのか?」
「大事よ」
「かわすねぇ」
「そうとしか答えられないのよ」
「それと先程のが関係するのか?」
コクンと頷く
「でも言えないと?」
再び頷く
「俺にそういう事すると、楽になれるのか?」
三度頷く
「解った。お願いするわ。但し口だけな」
「うん。初めてだから教えてね」

「うく、そうそこ、玉を舐めて」
モンモランシーが才人の股間に顔を埋め、懸命に舐める
「う、駄目だ。一度出すから、亀頭を含んで、出たのは全部飲んで」
モンモランシーは言われた通り、口に含み舌で転がしてると、才人が射精する
才人にしても、生殺し状態が続いていた為、非常に大量の精を吐き出し、ついモンモランシーの頭を押さえてしまう
モンモランシーは特に嫌がる事無く、精を飲みこんだ
「あ、まだ少し中に精が残ってるから吸い出して」
才人の言葉にモンモランシーは吸引を開始する
「おっおっうっ、ふぅもう良いよ離して」
「精の匂いってこんななんだ。変な匂いだけど癖になりそう」
ピチャピチャ
再び才人の息子を舐め始め、才人はその快楽に身を任せたいが、モンモランシーを何とか引き剥がす
「あん、もう満足?」
「シエスタが来るだろ?」
「見せても構わないわよ?」
「俺が困るから止めてくれ、それより楽になったか?」
「どうしよう、もっと欲しくなった」
「はぁ〜〜〜、気分の方は?」
「ん〜〜もう少し」
才人の胸に抱きつき
「撫でて」
「はい?」
「ルイズには良くやってるじゃない」
「っ解ったよ」
右手だけで撫でる
モンモランシーはそのまま目をつむり、撫でられる感触を楽しむ
「ふふふ、ルイズが撫でられたがるの解るわぁ」
「そういうもんか?」
「そういうもんよう」
暫く撫でてると、寝息が聞こえてきた
「寝顔も凄く可愛いな」
「モテるねぇ、相棒」
「空気読んで黙ってたのは褒めてやる。でも誰にも言うなよ」
「解ってらぁ。折角の使い手たる相棒が、ミンチにされる所なんざ見たかねぇ」
「良く理解してるこって」
才人は苦笑する
「才人さん食事を持って来ました。口移しで食べましょうね」
「シッ!?」
才人の胸の上で、モンモランシーが抱きついた状態で寝ている
「あれ?ミスモンモランシ寝ているんですか?」
「俺の治療でずっと気を張ってたからな。悪いけどこのままにしててくれないか」
「別に良いですけど、私が居ない間に何かありました?」
「何で?」
「ミスモンモランシ、とっても幸せそうな寝顔だから」
「そうか」
その言葉に才人は微笑を浮かべる
ぽん!
「どうしたのシエスタ?顔紅いけど?」
「才人さんのたらし」
「???」
才人には訳が解らない
「所で食事どうしましょう?」

「この状態じゃ無理だな。モンモン起きる迄我慢するわ。シエスタは先に食べててくれ」
「ぶ〜」
「シエスタ、ぶぅたれた顔は可愛いくないぞ」
「ぶ〜」

放課後になり、ルイズが帰って来て扉を開ける
「サイト〜、加減はどう?オスマン校長がサイトに話が……」
扉を開けた場所で見ると、机の上に食事の用意がしてあり、その椅子ではシエスタが寝ており、ベッドではサイトが寝ていて、胸の上に、モンモランシーが幸せそうな顔で寝ている
「あああたしでもまだ許してない、そそそ添い寝してる」
『実はそれ以上許してんだがね』
デルフは独りごちるが、其所でルイズがデルフを抜き事情を聞く
「ボロ剣、どういう事か説明しなさい」
「あのな嬢ちゃん、あの香水の嬢ちゃんが治療疲れで相棒の胸で寝ちまって、相棒はそれを退けずにそのまま待ってたら寝ちまって、メイドの嬢ちゃんは、食事をすぐに二人出せる様に待ってたら、寝ちまったって話だぜ」
「つつつまり不可抗力って事?」
「おう」
「じゃあ、何であんなにモンモランシーが幸せそうなのよ?」
「本人に直接聞いてみれば良いんじゃね?今起きた所みたいだし」
「ちょっと、モンモランシー」
寝ぼけ眼で辺りを見回すモンモランシーは、才人の顔を見つけると笑みを浮かべそのままキスをし、首筋に抱きつく
そのまま寝ようとするのだが、桃色の殺気を当てられ、急速に覚醒する
「え〜と、あれ?ルイズ?」
「モ ン モ ラ ン シ ー 説 明 し て く れ る ?」
「やぁね、寝ぼけてただけよ」
「本 当 に ?」
「ええ、そうよ」
「そそそそれなら仕方ないわね」
「そうね、仕方ないわね」
『香水の嬢ちゃんスゲー』
完全なポーカーフェイスで答えるモンモランシー
デルフは内心感嘆する
「所で、うちの馬鹿犬が、どっかの眠り姫のお陰で食事を取れ無かったって、ボロ剣に聞いたんだけど」
「嘘、何で起こさないの?」
「モンモランシーも知ってるでしょ?サイトはそういう奴なんだから」
「才人起きて、食事しないと回復しないわよ」
口調の変化にルイズは気付き、更に口元が引きつる
「あたしの時と違うんじゃない?」
「あら?そうかしら?」
『こ、怖えぇ、起きたくねぇ』
実はルイズが殺気を出した時点で、完全覚醒してたのだが、あまりに恐ろしい応酬に狸寝入りしていた
でも、此処で起きないとこの恐怖は去りそうに無い。仕方無く眼を醒ます
「んぁ、おはようルイズ、モンモランシー良く寝れたか?」
「えぇ、凄く楽になったわ」
「そりゃ良かった」
才人に受け答えるモンモランシーは、常の表情と違い、非常に柔らいでいる
ルイズは面白くないがサイトに聞く
「ねぇ、サイト。何かあったの?」
「見ての通り疲れてたから、寝るに任せて、すっきりしたんだろ?」
「ん〜、うん」
いまいち、納得し難いが納得する事にしたルイズ
「それより、腹減ったから飯食わせてくれないか?、まだ身体右手しか動かないんだ」
「そうよね、じゃ、あたしがやる」
「私がやるから、ルイズは見てるだけで良いわよ」
「一眠りしたんなら、魔力回復してるんじゃ無いの?むしろ回復魔法唱えてよ」
魔力は確かに回復してる
モンモランシーは、才人を覗き込む様にし眼で聞く
才人は頭を撫でながら
「ルイズの言う通りにしてくれ」
「ん、解った」
モンモランシーは詠唱に集中し始めた
その様子を見たルイズは
「やっぱり、何かあったんじゃない?」
と、疑惑の念を捨てきれずにいた
「すいません、才人さん寝ちゃってました。ミスヴァリエール、申し訳ありません、才人さんの看病を、きちんと出来ていませんでした」
此処で起きたシエスタが才人とルイズに謝る
「シエスタは良くやってくれてるよ、有り難う」
「馬鹿犬が、ああ言ってるから大丈夫よ」
「今から食事ですよね?ミスヴァリエール、私がやりますので、下がっていて頂けますか?」
「私がやるから良いわ」
「ルイズ」
「何?」
「シエスタは、マルトーの親父さんにキツク言われてるんだ。仕事を取らないでやってくれ」
「あたしにされるのが嫌なの?」
「ルイズ、こっちにおいで」
「何よ」
モンモランシーの詠唱の邪魔にならない様、ベッドの反対側につく
「俺が怪我したの、自分のせいだと気にしてるだろう?」
コクリ
「大丈夫、モンモンも治してくれるって言ってるし、貴族は逃げないってのは立派だぞ」
「うん」
「だから、次は上手くやれる様にすれば良い。魔法だけが手段じゃ無いぞ」
「うん」
「シエスタに仕事させて貰えるかな?」
「うん」
ルイズはシエスタに振り返る
「うちの馬鹿犬もああ言ってるし、マルトー料理長に言われてるなら仕方無いわね。シエスタに任せるわ」
「有り難うございます。ミスヴァリエール」
シエスタに食べさせられている才人に、ルイズは話かける
「そうそう、オールドオスマンが、サイトが動ける様になったら来てくれって」
口に入った食べ物を飲み込んでから才人が答える
「オールドオスマンって、誰?」
「学院長よ」
「感謝状ならルイズが貰ったろ?俺はどうでも良いよ」
「サイトに話があるみたい」
「そういう事か。解った」

才人が回復し、動ける様になったのはそれから3日経った日である
モンモランシーは泊まり込みしようとしたのだが、ルイズとモンモランシーの応酬に疲れた才人が、ルイズをモンモランシーの部屋にモンモランシーと一緒に泊まってくれと頼み、怪我人に気疲れさせる物じゃないとモンモランシーに説得され泊まる様になった

モンモランシーは治療の名目で公休を処遇して貰い、堂々と才人の側で治療術をかける事が出来た
どうも治療に関してはコツを掴んだらしく、治療術のみならラインに手が届きそうとは本人の談である
それを確かめる為か、学院教師にトライアングルメイジが居るにも関わらず、モンモランシーは魔法実技の実習も兼ねてると主張し、頑なに自分だけでやってしまったのである
才人としては、傷が治るならどちらでも良いのだが、一応聞いてみた
「何で一人でやるんだ?」
「実技の研鑽」
「本音は?」
「今なら独占出来るから」
「シエスタも居るじゃん」
「貴方の周りに居る人数から考えたら、居ないと思えるわね」
「さいですか」
才人は肩をすくめるだけにした
その間、隙を見つけては、モンモランシーの方から、口で才人の下の世話迄こなしたのも事実ではある。

動けるようになった才人は、ルイズに案内されて学院長室の扉を叩いた
「どうぞ」
「失礼します」
「ルイズ、悪いけど一人で」
「解ったわ」
学院長と二人きりになる
「さて、何から話そうかのう」
「色々聞きたい事あるんですが」
「儂もじゃよ、ミスロングビルの唇の味はどうじゃった?」
老人の身体を鼠が登り肩に乗る
「使い魔使って覗きたぁ、良い趣味してますね」
「何の何の、お主じゃなければ、破壊の杖は帰って来なかったであろう、それ以外は些事じゃよ」
「食えねえ爺さんだ」
才人は肩をすくめる
「あっ、この爺まだ生きてやがったか」
背中に背負ったデルフが自ら鯉口を切り喋る
「デルフ知ってるのか?」
「知ってるも何も、事と次第によっちゃあ、ブリミル以上の化物だ」
「これデルフリンガー、人を化物みたいに言うでない」
「良いか相棒、オスマン爺は300年前には、既に爺だったんだよ」
「は?推定年齢300歳以上?」
才人は魔法の力に愕然とする
「さて、見て貰いたい物が有るんでな、お主の質問は歩きながらで構わないかの?」
才人は頷く
歩きながら、才人は自身のルーンが、伝説の使い魔ガンダールヴである事を知り、破壊の杖の出自を知り、帰る手掛かりである事が消えた事に落胆する
「振りだしか、そう上手く行く訳無いか」
「さて、着いたぞ」
宝物庫に着き、オスマンと共に中に入る
「実はの、この中にはどうやって使うかも解らない様な、ガラクタが結構あってだね。お主が使える様な品が有れば、持っていって構わんぞい」
「良いんですか?」
「ああ、構わんよ。此がお主への、学院からの報酬じゃ」
「そういう事なら有り難く頂きます。でも掘り出し物有るかね?」
「相棒。俺っちも手伝えば直ぐだ直ぐ」
「デルフ、目利き出来るのか?」
「武具だけだけどな」
「それで充分だ」
オスマンが言った通り、才人からみてもガラクタが多い。その中にある、破壊の杖は異様である
「魔法の品ばかりって訳じゃないんだな」
「見ろ相棒。此処ら辺刀剣類だ」
「ほう、どれどれ」
一本一本取り出しては確認すると、デルフがあーだこーだ言い始める
「中々厳しいな、デルフ」
「当たり前だ、相棒を守る武器は、俺っち並に使える業物じゃないと、相棒の生死に関わる」
「何気に自身の評価高いんだな、デルフ」
「伊達に経験積んじゃいねぇよ」
「頼もしいねぇ」
そして、奥に収まってた一本の刀を取り出す
「正真正銘の日本刀だ」
「相棒早く抜いてみろ」
すらりと抜くと刀身が結露してる
試しに振ると霧が撒き、辺りに冷気が広がる
「相棒、魔法剣か?」
「違う、妖刀だ。村雨丸。確かありゃ、架空の刀だった気がするんだが」
「ほう、そいつに眼を付けたかいの」
オスマンは顎に手を当てながら、面白そうにしてる
「それは呪いの剣での。抜いた者は、ひたすら人に斬りかかる物騒極まりない代物で、扱いに困って此処に放り込まれたんじゃ。何でもメイジが、魔法使いながら斬りまくったって、話もあったでな」
「相棒、これにしろ」
「良いのか?デルフ?」
「相棒にしか使えん代物だろう?呪いはどうだ?」
「そういえば、さっきから、刀が爺さんに切っ先向けようと、頑張ってるな」
「無視出来るのか」
「ん〜」
ルーンが輝きの度合いを増し、才人が村雨に話かける
「俺と来れば、使ってやるがどうする?」
衝動が収まる
「収まった」
「俺っちと一緒か」
「何の事だい、デルフ?」
「何でもねぇよ」
『武器の気持ちは武器にしか解んねぇさ。やっと自身の使い手が現れて、嬉しいんだろ?なぁ村雨』

「お帰りサイト。遅かったじゃない。……その剣は何?」
「オスマンの爺さんに今回の報酬って事で貰ったのさ。此れは村雨丸って銘の、俺の国の刀っていう剣さ。ルイズは触るなよ」
「何でよ」
「呪いがかかってる妖刀だ」
「呪いって、あんたは大丈夫なの?」
「あぁ、俺にだけは効かん代物だから貰った」
「嘘ばっかり」
「なぁ、デルフ」
「あいよ」
「俺とデルフなら抑え込めるか?」
「嬢ちゃん、魔法上手く使えないみたいだから、大丈夫だろ」
ルイズはまだ不機嫌だ
「論より証拠、ほれ抜いてみ、ルイズ」
ルイズに村雨を渡し、デルフを抜く
「私には大きいじゃない、う〜抜けた。思ったり軽いし、何より凄い綺麗」
「だろ?それが日本刀さ」
「何にも起きないじゃない、あれ?この剣濡れてるの?此に紅いのが塗れたら、更に綺麗になるわよね?」
才人に振り向き詠唱を始めながら斬りかかる
「糞、やっぱりか」
「相棒、峰だぞ」
「解ってらぁ」
ボン!!ガイン!!
爆発が壁をえぐり、村雨がルイズの手から滑り落ち、床に叩き付けられる
手から離れた衝撃で、ルイズは我に返る
「あれ?あたし?サイトを?」
「これで解ったろ?二度と触るなよ?」
真っ青な顔で頷く
「何でこんな物騒な代物貰って来るのよ。返してきなさいよ」
「予備の武器はあった方が良いし、出来れば業物のが良い。鈍掴まされて苦労すると、ルイズを守れない」
ルイズの顔が一気に紅くなる
「勝手にしなさい、馬鹿犬」
「わん」
『しっかし、相性無視の杖兼用かよ。マジで厄介だなおい』
ルイズは自身が何やったか自覚がなさそうだが、才人は想像以上のリスクで頭を抱えるハメになった


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Last-modified: 2017-09-12 (火) 05:35:02 (2418d)

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