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Last-modified: 2010-11-26 (金) 10:38:40 (4900d)

〇月×日
うわぁ、大変だぁ!!
貴族の親が学院に殴り込んで来たぁ!!
事の起こりは午前の授業中
私達が休憩でお茶をしていたら、一人の貴族がつかつかと、寄って来たんです
「メイド、聞きたい事が有る。人間の使い魔は何処に居る?」
「俺だけど?貴族様」
才人さんは、何時も自分自身の洗濯物以外も手伝ってくれるので、お茶の時間もご一緒させてるんですよね
メイド達も才人さんが居ないと詰まらないからと、除け者にする人は居ないんですよ?
ミミなんか毎回お菓子を懸命に焼いて、最初は失敗続きだったのに、最近は凄く上達してるんですよね
「来い」
顎をしゃくって踵を返します
その仕草にピンと来たのか、才人さんの雰囲気が変わっていきます
でも、笑ってるんですよ
「ハルケギニアは退屈しねぇな」
才人さん、退屈してないのは多分才人さんだけです
貴族の皆様は、退屈をどう過ごすかを絶対の課題としているのに
才人さんが出て行ったので、私達は慌てて付いて行きます
着いた場所は授業中の生徒からは見えない裏庭
其処で貴族は振り向きます
「使い魔、決闘だ」
「別に構わんけどさ、理由は?理由無しじゃ、流石にやる気は無いぞ?」
才人さんが肩をすくめます
「とぼけるな。息子にかなりな金を要求したろう?」
「あぁ、三人の親の内の一人か。親に泣き付いたって訳だ。うむ、他に迷惑かけないのは感心感心」
才人さんはうんうんと頷きます
「ふざけおって。良いから抜け、平民」
「何時でもどうぞ、デルフ」
「あいよ」
「お前さんで、居相出来るか試すか」
「俺っちだと、長すぎねぇか?」
「こんなん、遊びだ遊び」
完全に才人さん遊んでます。其を見た貴族は、相当怒ってます
ルーンを詠唱して、殺意の有る魔法攻撃
私には魔法が見えなかったんですが、才人さんはかわします
「ほぅ、良くウィンドカッターをかわしたな」
「はぁ?トロ過ぎだっての。お宅、スクウェアはおろか、トライアングルでもねぇだろ?もしくは、違う系統無理矢理使ったか?」
才人さんに図星刺されたか、貴族は激昂します
「ふざけるな、平民」
次に火球を発生させてぶつけて来ます
私達は固唾を飲んで見守ったんですけど、才人さんはひらりひらりとかわすばっかで、攻めません
もしかして、本当に遊んでるの?
「やっぱり、殺意持ちの魔法は、良い回避訓練にならぁな」
「一応生死のやり取り中に、失礼じゃねぇか?相棒」
その時、才人さんの至近で火球が爆発
手を掛けてたデルフさんを軽く伸ばし、背中を向けながら走ると、何故か魔法が、デルフさんに吸い込まれていきます
「ちんたらしてねぇでさっさと決めろや。メイドの嬢ちゃん達が、ハラハラしてんぞ」
「もうちょい遊んでからって、思ったんだがなぁ」
「ふざけおってふざけおって」
どんどん怒りを貯める貴族
何か揺らいでません?
「あぁ、なる。あんた炎使いか。魔力で回りが熱せられて、空気歪んでるわ」
才人さんが貴族の系統を当てます
まさか、わざと怒らせた?
「貴様、系統を知る為に、わざと怒らせたのか?」
「正解」
「その慢心、後悔させてやる」
更なる詠唱を始めた途端、一気に才人さんが間合いを詰めて、デルフさんを両手で掴んだと思ったら
両断された杖を手にした貴族が、詠唱をしたまんまポカンとしていて
その首筋に、才人さんがデルフさんを当ててニヤリとしてます
抜き手も剣筋も見えませんでしたよ?
「チェックメイト」
ガクリと膝を付く貴族
そして、才人さんが、あの気配を出し始めました
途端、見てる私達も震え始めます
こ、怖い
「いい加減にしろよ、屑野郎」
「ひっ」
才人さんの台詞で、ひっくり返ってしまいました
しかも失禁してる
うっわ〜恥ずかし
その後、起きた貴族に、懇切丁寧に事の起こりをデルフさん片手に説明し、きちんと納得させ、支払いを約束させてました
その代わり、失禁したのは内緒にして欲しいと
才人さんも私達も、二つ返事で頷きました

「お前さんでの居相はイマイチだな。間合いが広いから、大型相手なら有効か」
「まさか、俺っちでも出来るとはね」
「曲刀が条件なんだよ。後、長すぎない事。デルフは長いんで、全身使わないと無理だから、2テンポ遅れる。やっぱり使い辛いわ。使うのはちとあれだな、お前は抜いてた方が良い」
「相棒と一緒だと、マジでおもろいわ」
才人さんが貴族が居なくなった後、鞘から少し出たデルフさんと話してます
そんな才人さんを、私達メイド達が囲んで、才人さんがびっくりしてます
「凄い凄い凄い。本当に速くて、全然見えなかったです」
「私達の剣って本当だったんだ」
「むう、シエスタの話なんかより、ずっと凄いじゃない。才人さん、私なんかどうですか?」
「あぁ、えっと」
困った才人さんが、腰の剣に触れると、その場から跳躍して逃げちゃいました
「あぁ!?逃げられた」
「きちんと、腕掴んでおけば良かったぁ」

あはははは
更に混沌としてきましたよ

ひいお爺ちゃん
この戦場は乱戦です
どうすれば良いんでしょう?
ぐすん

〇月×日
えっと、何で王宮から近衛隊長が来たんですか?
しかも、通達だと才人さんに剣技等を教える任務ですって
才人さん、一体何をして来たんでしょう?
其とも、ヴァリエールとの繋りかなぁ?
私程度じゃ、考えても解らないや
止め止め、仕事仕事
私が初めて見た、シュヴァリエと隊長職を示すマントに身を包み、長剣を下げ、短銃を下げた女性のシュヴァリエ
一目見た感想は、凛々しくて恰好良い
胸は私より小さいけど、才人さんと同じ背丈位で、女性としては長身で
あぁ、素敵だなぁ
そんなシュヴァリエが、才人さんにだけ微笑むんですよ?
「やっと、引き継ぎが終わったぞ、才人。此から稽古方法を考える。来い」
「あいよ」
洗濯物を私達と共に取り込んでた才人さんに声をかけ、微妙に接近した距離で、歩き去ったシュヴァリエ
むぅ、此は危険です。警報がなり響いてます
「私、ちょっと用事思い出した。行くね」
皆は肩をすくめて、見送ってました
ふぅふぅ、やっと追い付いた
あれ?何か笑いあってる。稽古じゃないんですか?
其処には既に、ミスヴァリエール、ミスモンモランシ、ミスタバサが居らっしゃっており、傍目から見ても、危険なオーラを出してます
「あの」
「シッ」
ミスヴァリエールが制し、その唇がわなわなと震え、ミスタバサが何時もの如く冷気を出し、ミスモンモランシのポーカーフェイスが崩れ、怒りの表情を呈してます
そして、シュヴァリエが連絡の為に去った後、徹底的な一言が、デルフさんから放たれました
「相棒」
「何だ?デルフ」
「今迄の娘っ子の中で、一番相性良くないか?」
「ボロ剣」
「デルフさん」
「「デルフ」」
「「「「どういう意味かしら?」」」」
私達の怒りは真骨頂です
えぇ、笑ってますよ。勿論
振り向いた才人さんが、すっかり青ざめてます
「え〜と、何時から居たのかな?」
「殿下も粋狂な命令を、辺りかしら?」
ミスモンモランシが答えます
「で、覚悟は出来てるの?犬」
「何のでしょうか?マイロード」
「…地獄の一丁目の回覧」
ミスタバサが答えます
「ミスモンモランシが居るから、心配しないで下さい」
私がトドメを刺します
「え〜と、4倍?」
「「「「16倍」」」」
「……デルフ、全部てめぇのせいだ」
「相棒、済まねぇ」

その後は全員でフルボッコです
才人さんはボロ屑になって、転がってしまいました
「私、何だかミスヴァリエールに似てきたかも」
「誉めてくれて有り難う」
「誉めてません」

ひいお爺ちゃん
私、きちんとしたお嫁さんになれるんでしょうか?
段々不安になって来ました
はぁ

〇月×日
翌日から、才人さんとシュヴァリエの稽古が始まりました
才人さん強いのに何でだろう?
思い切って、二人の休憩中に手拭いとお茶を持って行って、聞いてみました
「才人さん、強いのに何で稽古してるんですか?」
「ん?ああ、俺は弱いんだよ」
「嘘!?」
「本当だよ、アニエスさんが一番知ってる。聞いてみ?」
「本当なんですか?シュヴァリエ」
「あぁ、素の才人は、本人が言ってる通り弱いぞ。筋力が有るのは、どういう事か解らんが」
「多分以前の職の影響だな。筋肉使わないと、駄目な仕事だったもんで」
「だ、そうだ。今現在の評価は、才人は筋力が多少ある、実戦を経験した素人って所だ」
「軍人から見ると、そんなに差が有るんだ・・・」
「まぁ、詳しくは私も言えないんだが、才人が強くなる為に、わざわざ王宮から来てるんだ。トリステインが期待出来る人材だと、思って構わんぞ」
そう言って、才人さんに微笑みかけました
むう、幾ら才人さんの頼みとは言え、シュヴァリエが自然に笑みを、周りに浮かべさせる様にするなんて、出来るんですかね?
この焼きもきを何とかして下さいよ、才人さん!!
我慢出来ないから、今夜の風呂の時間に突撃だ
才人さんが学院外に出掛けて戻って来ると、直ぐに風呂を沸かしますので、入るタイミングで突撃です
「才人さん」
私を見た瞬間に、溜め息ついちゃいました
「何でしょうか?シエスタさん」
「一緒に入って良いですか?」
「…お風呂だけなら」
「はいっ」
すぱぱって脱いで、身体を洗う時に、才人さんに背中を洗う様に頼みます
才人さんは無言でやってくれました
うん、相変わらず上手
代わりに、背中を流しましょう
「才人さん、背中を流しますね」
「お、ありがと」
素直に背中を見せてくれるので、先ずは普通に洗って、背中を流した後に、抱きってします
「早く湯船に入ろうか」
「はい」
才人さんは、この程度じゃ動じないのは解ってるから、もう私も慌てません
一緒にちゃぽんと入り、才人さんの隣で身体をくっつけます
「やっぱり、才人さんとお風呂って良いですね」
「そうか?」
「だって、洗って貰うの気持ち良いです」
「長年の修練の賜です」
「一緒にお風呂入った人の背中を、流してたんですか?」
「ずっとね」
「その人、女の人?」
「何で?」
「女の人見ても、余り動じないから」
「ご想像にお任せします」
少し教えてくれたから、良いか。以前はもっと頑だったもの

ひいお爺ちゃん
ゆっくりだけど、才人さんも心を開いて来た様な感じがします
でも、心を開いてくれる時間より、ライバルが増える増殖時間のが早いのは、何とかならないのでしょうか?
心が折れそうだ、頑張れ私

〇月×日
大変だ、ミスヴァリエールが御禁制の薬を、知らずに飲んじゃった
才人さんが、異常な状態のミスヴァリエールのサポートを、お願いして来ました
でも、何でそんなの有るんだろ?
マルトー料理長に中味は伏せて、聞いてみました
「研究用なら有るだろうな。一応魔法学院は、研究もアカデミー程じゃないが行ってるし。新薬開発は、禁制品から開発される事の方が多いって、聞いた事があるぞ。だから、禁制だからと、レシピを消す訳にはいかないらしい」
「そういう理由なんですか」
はぁ、薬の開発も大変なんだなぁ
「そういうこった。だから、メイジに触れるなって言われた所は、触るんじゃねぇぞ。見て困る程度ならともかく、本当に危険な代物を、無造作に保管してる場合が有る。特に、教師連中に多い。周りで聞いてる連中も解ったな?」
「「「は、はい」」」
此は、思ったより大事な指示だ、きちんとメモしておこう、うん
「で、シエスタ。そんな事聞くって事は、禁制絡みで何かあったのか?」
「ええっと」
「有ったんだな?言わなくて良い。研究機関なら事故で済む。だから、口外しなくて良い」
「は、はい」
「この件に付いては、此で終りだ。全員何も聞くな。仕事に戻れ」
「「「「はい」」」」
やっぱり、マルトー料理長は尊敬出来る人だ
その後はお風呂に三人で入って、キャッキャッウフフって、しちゃいました
ミスヴァリエールが、大変な状態だからですよ
わ、私の願望じゃないです
だって、私の願望は二人きりって、きゃあぁぁぁ恥ずかしい

ひいお爺ちゃん
社会は思ったより、ずっと複雑です
貴族は、ただ偉ぶってる訳じゃないんですね
才人さんはそういえば、魔法と其に関する技術には、称賛を惜しみなく注いでました
やっぱり、解る人には解るんだ
まだまだ及ばないなぁ
頑張れ私

〇月×日
今日は虚無の曜日
普段と違って、当番以外はお休みです
お食事だけは用意しないとですから、その分だけは、当番の方が出ます
学生の方々は虚無の曜日になると、遠出したり、トリスタニアに行ったりするので、普段より人は少ないです
そんな中で、才人さんは、今回は遠出するとの事でミスタグラモンが人数分のお弁当を、注文して来ました
私は今回は当番です
「料理人さん、ミスタグラモンの遠出に、才人さんが一緒に出るそうです」
「了解。我らの剣が出るなら、沢山用意しないとね」
腕によりをかけて、お弁当を使ってくれました
受け取りに来た、ミスタグラモンに渡します
「はいどうぞ」
「有り難う。って、凄い量だね」
「才人さんは、それ位食べますよ?剣士は、身体が資本だそうです」
「そっか、殆ど才人の分か。了解したよ」笑って受け取ったミスタグラモンは、私に手を振って、馬を用意した才人さん達に向かって行きました
上手く行く事を、私は此処で祈りましょう
私に出来るのは、それ位ですから
お昼で当番は交替で、私は午後からお休みです
今日はこの前買って来た、マダムバタフライを読もうっと
・・・うきゃあ
相変わらず過激です
も、あんな事とかそんな事とか、私が才人さんにする事を想像したら
イケない、よ、よだれが出ちゃう
つ、つい手が胸と股間に
でも、才人さんの手には適わないなぁ
ハァ、早く奪ってくれないかなぁ
生殺しはキツイですよ、才人さん
そんなこんなで時間が過ぎて、夜になり夕食の時間です
私達も夕食を済ませて、部屋に戻ると、当番だったメイドから、連絡が来ました
「才人さん、帰って来たみたいよ」
「え?本当に?早いじゃない」
「早く終わったんだって」
「そっか」
ミスヴァリエールのお世話が有るから、部屋に行かないと
才人さん一人だと、ミスヴァリエールが才人さんを奪っちゃう!?
そんなの絶対に許せません!!
すっくと立ち上がり、ミスヴァリエールの部屋にダッシュです
コンコン
あれ?まだ帰って来てないのかな?
コンコン
ん?声が聞こえる
「サイト、サイト」
「や、止めルイズ」
「サイト大好き。赤ちゃん作ろ」
おっ始めてやがりますよ
薬のせいと言えど、ミスヴァリエール
ゆ る す ま じ
敢えて乱暴に扉に開けます
バタン
「サイトさん、来ましたよ」
見ると、ミスヴァリエールはスカートとニーソックスだけで、股間を才人さんの股間に押し付けてグリグリやりながら、才人さんの服を無理矢理脱がして、とろけた顔であちこちにキスしまくってます
何、この牝犬?
まんま、犬の盛りと一緒じゃないですか
惚れ薬恐るべし
「助かった。シエスタ、何とかしてくれ」
才人さんがキスマーク付けられた上半身を晒しながら、私に助けを求めて来ます
まぁ、薬、薬です。薬のせいだから、落ち着け、シエスタ
つかつか寄って、ミスヴァリエールを後ろから羽交い締めにして拘束します
「やぁ、離してぇ。サイトサイトサイト、一緒になるのぉ。家族になるのぉ」
すんごい甘い声
同性の私でも、くらりとしちゃいます
才人さんも、自分を落ち着かせるのに懸命みたいです
必死に深呼吸してます
「……だ、駄目だ。これ以上は本当に不味い。シエスタ、頼む。風呂入って来るわ」
そう言って、さっさとデルフさんと剣と着替え持って、素早く出ていってしまいました
この後が大変だなぁ
あ、羽交い締めにされたまま、ジロリとミスヴァリエールが私を睨みます
「メイド、何で邪魔するのよ?」
声がうって変わって、氷点下になってます
「才人さんの時と、随分違いますね?」
「サイトはトクベツだもん」
「出来れば、薬飲んで無い時に、言った方が良いですよ?」
「薬なんて知らないもん。あたしの一番はサイトだもん」
あぁそっか。薬飲んでる自覚も無いのか
此は参ったなぁ
「所で今、才人さんはお風呂に行きましたよね?」
「待ってるもん」
ブスッと答えました
どうして、そんな仕草も可愛いんでしょう?
「才人さんのお風呂は、火起こしからだから、時間かかりますよ?その間にお風呂に入って来て、とびっきりの恰好で、待ったらどうですか?」
少し考え始めた様です
そして、私の方を向いて呟きました
「お風呂入っくる。離して」
「はい」
離すと、着替えと、あれは普段使わない香水を手に取ってますね
あれ?着替えも何か透けてますよ?
「その香水は?」
「ヴァリエールオリジナル。ヴァリエールの子女に合わせた、授かりのご利益があるの。先祖代々使われてる、由緒正しい逸品よ」
あちゃー。完全に本気だ
「それ、私でも効果有ります?」
「言ったでしょ?ヴァリエールの子女専用よ。体質が違うんだから無理。効くとしたら、血縁のある王族かしら?」
「そうなんですか」
「普通の香水だって、個人の体臭体質によって違うでしょ?」
「そうですね」
「もう、帰って良いわよ。これ以上邪魔したら、問答無用で吹き飛ばす。命の保障はしない」
杖を持って、ミスヴァリエールが私に殺意を向けます
才人さん、もう無理です!!ごめんなさい
私はお辞儀をして部屋を去り、その後を扉をパタンと閉めたミスヴァリエールが、パタパタとお風呂に向けて走って行き、追い越して行きました
その顔は喜びに溢れてました

才人さん、貴族の本気は、平民の私では止められません
本当にごめんなさい
上手く対処して下さい

〇月×日
才人さんとシュヴァリエの猛稽古は、すっかり見物と非難と避難の対象になりました
ミスタグランドプレが才人さん一人の時に抗議したんです
私は、たまたまお茶を差し入れに行ってたんですけどね
「おい、才人」
「どした?マリコルヌ」
「何時も何時も僕ばっかり巻き込みやがって、酷いじゃないか!!」
「そりゃ、お前さんがこうやって干渉するからだろう?ほら」
才人さんがミスタグランドプレの後ろを指すと、其処にはシュヴァリエが獲物を見付けた肉食獣の顔をしています
「丁度良い障害物だな。じゃ、始めるか」
「ひ、酷いぞ!?才人」
「俺じゃなくて、アニエスさんに言ってくれ」
才人さんは既に水の剣を構えて真剣な顔になり、挟んだ状態で稽古を始めたんです
当然二人の間合いに入ったミスタグランドプレはおろおろしちゃって、杖を抜いて詠唱したんですけど、才人さんが杖を叩き落として、後ろからシュヴァリエがミスタグランドプレ事才人さんに斬り掛って、あっさり撃墜されました
うん、確かに酷い
でも、気絶した顔が心無しか、喜んで見えるんですよね
…好きでやってません?
私は棒切れを拾って、ミスタグランドプレをしゃがんでツンツンしてみました
うん、生きてますね
「…メイド」
「あ、はい、何でしょうか?」
「…つつくの、酷くないか?」
「いえ、生死の確認をと思いまして」
「…そんなに酷い?」
「ちょっと、傍目には生きてるか解らない状態では有りますね」
「…絶対復習してやる」
「復習するのは構いませんが、この場合復讐では?」
「…細かいぞ、メイド」
「申し訳ございません。ですが、稽古中に魔法攻撃を行うのは、シュヴァリエも歓迎してますので、そちらでやったら如何でしょう?ほら」
私が指した先で、暇を持て余した学生が、手加減した魔法を二人に炸裂させてます
学生にも、気分転換と暇つぶしが出来るらしいので、参加する人が結構居るんです
「…そういう事は、先に教えてくれよ」
「いえ、稽古初期からやってますので、てっきりご存知かと」
「…舞姫だけじゃ無かったのか」
そのまま、またガクリと気を失ってしまいました
放っておくのも悪いので、医務室に連絡しましょう
何処か抜けてるミスタグランドプレは、気持ち悪いんだけど憎めないですね
きっと、そういう所を見てくれる人も、出てくると思いますよ……多分……いやきっと……ま、ちょっとは覚悟しといてね。エヘッ

ミスタコルベールの例が有るのを、すっかり忘れてましたよ

ひいお爺ちゃん
才人さんの回りは、何時も騒動が起きてます
才人さんが、何かした訳じゃ無いんですけどねぇ
何でなんでしょう?


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Last-modified: 2010-11-26 (金) 10:38:40 (4900d)

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