古文書に書かれていた世界の危機は終わった。虚無の担い手の
ルイズとその使い魔ガンダールヴのサイトの活躍によって。しか
し、その代償はかなり大きかった。何故ならリーヴスラシルの力、
つまりサイトの命をかなり使った事によって、体力が著しく消耗
されたからだ。一度意識を取り戻したサイトはルイズに「俺と結
婚してくれ!」とプロポーズしたものの、再び意識を失った。
すぐさまコルベール先生とギーシュがサイトを抱えあげて学院の
ルイズの部屋に意識を失ったサイトを運んだ。そして、トリスタ
ニアから医者が呼ばれ、サイトを診断すると冷酷な診察結果がル
イズ達に告げられた。「とても強い力を一気に使った事によって、
体力が相当弱っています。二、三日意識が戻らなかったら絶望的
でしょう」ルイズは涙を抑えながら尋ねた。「体力を戻すにはど
うすればよいのですか?」それに対し、医者は「そうですな、ロ
マリアにあるとても高価な秘薬を飲めば、どうにかなる可能性は
あります。しかし、何も手を打たなければ亡くなられるのは確実
だとしか言えません」暫く沈黙が続いた後、アンリエッタがジュ
リオに尋ねた。「ジュリオさん、その薬をすぐに手配出来ます?」
ジュリオはそれに対し、「そうですね、アンリエッタ女王。僕が
今すぐロマリアに帰って手配すれば、明日の夕方までには届けら
れます。ですが僕も噂を聞いた事があるのですが、とても量が少
ないので急いで手配すると高額になりますが宜しいですね?」と
答えた。「いいわよ、サイトが助かるためなら」とルイズが即答
すると「私が費用を出す」とタバサが口を挟んできた。
 アンリエッタが即座に言い返す。「いいえ、シャルロット女王。
費用はトリスティンから出しますからご心配なく」ここからどっち
が出すを巡ってアンリエッタとタバサが言い合いを始めたのを
ギーシュ達は冷たい視線で見ていた。ルイズが声を挙げようと
した時、シエスタがルイズの気持ちを言った。「いいえ、アン
リエッタ様やシャルロット様が出すのは筋が通っていません。
サイトさんが一番愛していらっしゃるミス・ヴァリエールが
出すべきです」
「それこそ、筋がありませんわ!」とアンリエッタとタバサ
が声を荒らげるとキュルケも「そうよ、シエスタの言うことが
正しいわ。だってサイトはルイズの恋人ですからね」と言う。
ルイズも「バカにしないでよ、私だって貯金があるのよ。全額
叩いてでもサイトを助けるためなら使うわ!」と言った。
ジュリオも「僕もポケットマネーを半分出します
からご心配なく」と続けた。
そういう方向で話がまとまり、ジュリオはすぐさまロマリアに
向かい、出発した。薬を手配するために。その間、モンモラン
シーが調合した薬を飲ませて様子を見ることになった。
 その晩遅く、シエスタがルイズの部屋に入るとルイズは寝ている
サイトの側に付きっきりだった。シエスタはルイズに声をかけた。
「ミス・ヴァリエール。余り、根を詰めるとお身体に障りますよ。
朝まで私が様子を見るので少しお休みになってください」するとル
イズは「シエスタ、ありがとう、でもサイトはずっと私を護ってく
れた。どれだけ傷だらけになろうと今回の様に生死の境目をさ迷う
羽目になっても… だから今回は私が助けてあげる番なの」と答えた。
[あの時と同じだわ…サイトさんがギーシュさんと決闘した時と…
あの時も三日三晩ずっとサイトさんに付きっきりだったから…]
ルイズのサイトに対する想いの熱さに胸を打たれたシエスタは
涙を堪えながらルイズの部屋を出て廊下を歩いていた。そして、
ヴェストリの広場の方に眼を向けるとテファがお祈りをしている
のが見えたのでシエスタは声をかけた。「ミス・ウェストウッド。
こんな時間にここにいると風邪をひきますよ」するとテファは「私
が風邪をひくのは別にいいの。でもサイトさんが死んでしまったら
私、一生償わなければいけないわ」と答えた。
シエスタは考えた。確かに自分もサイトが好きだ。しかし、ルイズ
のサイトに対する想いの大きさは自分やアンリエッタとタバサ、そ
して目の前にいるテファは到底勝つ事は出来ないと思った。
シエスタは心に決めた。[サイトさんが死んでしまったら私はミス・
ヴァリエールをずっと支え続けようと」それがずっと二人の仲を邪
魔していた自分が出来る唯一の贖罪だと思った。シエスタは「大丈
夫ですよ、サイトさんがミス・ヴァリエールを残したまま、死ぬな
んてあり得ません。そんな事したら私が一生サイトさんを呪います」
と言った。そう言った途端、大丈夫だと本気で思えた。
 シエスタとテファがお祈りを捧げていた頃、学院の寮の一部屋に
三人の人影があった。キュルケは目の前にいる二人の女王に言った。
「アンリエッタ様、それにタバサ、あなた達の気持ちが分からないこ
とはないわ。でもサイトとルイズの想いを承知の上で恋仲になるのは
どうかと私は思うけどね…」するとアンリエッタは「そんな事言われ
ても仕方ありませんわ。好きになってしまったんですもの」キュルケ
は聞き返す。「それではお二人はサイトが命を懸けてまで帰ってきた
理由を何だと考えているの?」今度はタバサが答えた。「私達のため」
キュルケは本気で答えている二人に呆れて言葉が出なかった。
全くこの恋ボケ女王二人と来たら!!サイトがルイズにプロポーズした
のを冗談だと思いこんでいるのかしら?同時に思った。
[これから先、トリスティンとガリアはどうなるのかしら?こんな思
い込みの激しい女王が国のトップになって…]とトリスティンとガリア
の行く末に想いを馳せた。意を決してキュルケは言った。「でもね、
お二人がいくらサイトに想いを馳せてもサイトは振り向かないわ。
だって私がいくら誘惑しても来なかったんですもの」するとアンリエ
ッタは「ルイズが恐いからでしょう」と答える。[こりゃ、参ったわ…]
とキュルケは心からそう思った。ここまで思い込みが激しいとなるとへ
まするとルイズを捕らえて幽閉してでもサイトを奪い取ろうとするかも
知れない。[明日、シエスタと相談するしかないわね…]と思ったので
「ごめんなさい、私、眠いんでお引き取り頂けない?」とできるだけ低く出て
二人の女王に退出をねがった。
その2に続く。

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