その日、ギーシュからその言葉を聞くまではモンモランシーにとって 平和な一日だった。休み時間ギーシュは一つの方向に眼を向けていた。 その先にいるのはキュルケと話しているモンモランシーである。 ルイズはというとサイトと共にコルベール先生と学院長室に呼ばれて 居なかった。「どうしたんだい、ギーシュ?モンモランシーの顔ばか りみて…」とマリコルヌが声をかけてきた。[そろそろ、決めるか]と ギーシュは思い、モンモランシーに声をかけた。 「モンモランシー、ちょっといいかい?」「なに、ギーシュ?」 モンモランシーはすぐに分かった。ギーシュは大事な話をするとき、 いつも改まった口調になるのだ。「大事な話があるから今日の授業 が終わった後、土の塔の屋上に来てくれないか?」と続けた。 「ええ、分かったわ」