モンモランシーはキュルケの部屋のベッドで眼を覚ましたがそこには
キュルケはいなかった。「もう、キュルケったらこんな朝早くからどこ
行っちゃったのかしら…?」と呟く。すると昨日の事を思い出すだけで
涙が出てくる。「もう、君と居るのは限界なのさ、だから別れよう。
サヨナラ、モンモランシー…」とギーシュに言われたのが悔しかった。
「何でこうなっちゃうの?私、ずっとギーシュの事が好きだったのに」
と思っているとキュルケが戻ってきた。「あら、モンモランシー。よく
眠れた?」と聞くキュルケに「ねぇ、キュルケ…。私、どうしたらいい
のかしら?」と思わず尋ねるとキュルケは「そうねえ今、ギーシュに本
当の想いを伝えても聞いてくれないと思うわ、残念だけどね。でも暫く
様子を見てみるのも悪くないわ」「どうして?どうしてなのよ!」と声
を荒らげるモンモランシーにキュルケは「どうしてって、離れかけた二
人の気持ちを素直にするにはこれが一番いいんだってお姉さんから
教わったってルイズが言ってたから…」「ルイズが?」キュルケが
言ってたのはあながち嘘ではない。さっき、ルイズに聞いたからだ。
「これからモンモンの奴、どうするのかな…」とサイトが呟くと
「多分、今すぐギーシュに想いを伝えると思うわよ…」キュルケは
返した。するとそれまで黙っていたルイズが突然キュルケに対し、
 「ねえ、キュルケ。私がサイトと姫様が恋仲になったと思って家出した
事を覚えてる?」「ええ、実家に帰ってしまった時でしょう?」「あの
時、どうしたらいいのか分からなくてちい姉さまに相談したの、そした
ら『今すぐ本当の想いを伝えちゃダメ。暫く様子を見るのも大切なの、
貴方が一番想っている相手なら例え、他の人に向かっていても心の中に
あるあなたに対する想いに気づいて戻ってきてくれるから…」って教え
てくれたの。それを実行したらサイトは私を選んでくれた。だからモン
モランシーにも教えてあげて、今は様子を見なさいって」といった。    
それを聞いたサイトは「前から思ってたけど、カトレアさんってキュル
ケの様に恋の事がよくわかるよなあ…俺とルイズの気持ちを一番最初に
分かったし…」と呟くとルイズは「ちいねえ様は優しいから、人の心の
中が読めるのよ…」照れながら返した。
話を聞いたモンモランシーは「なるほどね、あのルイズもそこまで追い
詰められた事があったのね、分かったわ。そうしてみる。キュルケ、
私、部屋に戻るわ」「ええ、気をつけてね」キュルケは見送った。
そして、授業開始後。モンモランシーはギーシュの方を見るといつもの
様子で授業を聞いていた。ルイズもいつも通り失敗してるしである。
休み時間になるとギーシュはいそいそとケティの教室の方に走っていった。
「あれは本当、暫くほっておいた方がいいわね…」と昼休み、キュルケは
サイトにルイズと一緒にランチを食べながら言った。「でもよ、ルイズ。
何日くらいあのままにしておくんだ?」サイトが聞くとルイズは「そうね、
一週間は様子見ましょう」と答えた。「しかし、あのギーシュのバカ、
昼間っからあんなことしてやがって…」とサイトが睨み付けるとギーシュ
はケティと昼間から熱いキスをしていたのだ。ルイズとキュルケも黙って
頷いて、「本当、昨日一人の少女を振った悪党とは思えないわね…」と
キュルケが冷ややかな口調で言えば、ルイズも「悪党どころか悪魔よ、
一人の女の子の心を傷つけたのにその子が見ている前で別の女の子と
イチャイチャしてるんだから…」と怒りに声を震わせながら言った。
そして、授業を終えた放課後、騎士隊の訓練に隊長のギーシュが
来なかった。「おい、マリコルヌ。ギーシュ、何でいないんだ?」
とサイトが八つ当たり気味に聞くとギムリがサイトの側に来て、
「ギーシュの奴、今日は訓練に出ないからサイトが全指揮をして
くれとさ」「あの野郎、どういうつもりだよ!隊長のくせして!!」 
憮然とするもサイトが指揮して軽く訓練をして解散した。
そして、訓練を終えた後、部屋に戻るとルイズとキュルケが居て、
「あら、もう訓練終わったの?」とサイトに聞いてきた。「ああ、ギ
ーシュの野郎、隊長のくせして訓練サボったからみんな頭に来て、途
中で取り止めた」とぶっきらぼうにサイトが答えるとキュルケが
「訓練、サボる隊長なんてはじめて聞いたわ」と呆れた口調でいった。
「あのバカ、訓練サボって何処いきやがった?」とサイトが聞くと
ルイズが「ケティとどっか行ったみたいよ』と答えた。
それから二週間ギーシュは訓練を毎日サボった。さすがに頭にきたサ
イトはギムリに訊ねた。「なあ、お前の部屋って、ギーシュの部屋と
近いよな?』「ああ、サイト。そうだよ』「あいつ、夜部屋にいるか?」                        
  サイトが聞くとギムリは「いや、サイトにだからはっきりいうが毎晩、
こっそり部屋を抜け出しているのか、ギーシュのいびきが聞こえんな」と
ギムリは深刻な顔をして返した。「やっぱな…」とやれやれという顔の
サイトの顔を見てギムリは「サイト、心当たりあるのか?」と聞いた。
「ああ、あの野郎、女に会ってやがるよ」と苦々しい口調だった。
その事を聞いたルイズとキュルケ、モンモランシーの三人は「殿下の宝刀
を抜くしかないわね…」とキュルケが言えば、ルイズも「ええ…少しあの
女ったらしにお灸を据えた方がいいわね…」と応じた。
「サイト、騎士隊使って大丈夫?」「ああ、ギーシュのここんとこの
態度にみんなご立腹だからな、喜んで協力するって言ってたぜ…」と
ルイズとキュルケの問いにサイトは不敵な笑みで返した。
 そして、翌日。いつもの様にケティと抱き合って熱いキスをして
いるギーシュの側に騎士隊員達が来た。先頭のサイトが「ギーシュ、
ちょっと話があるから小屋にご同行願おうか?」と言うと「なんだ、
君たち、僕たちの愛を邪魔するつもりか?」と強気な口調である。
サイトが黙って合図すると下級生の隊員がギーシュの腕を掴んで
騎士隊の小屋へと連行した。椅子に無理矢理座らされるといやに
正装のレイナールが出てきて「被告人はたちたまえ」と命令した。
二人の隊員に無理矢理立たされると前の机の中央の席に座っていた
サイトが「これからギーシュ・ド・グラモンの最近の行動に問題が
多々あるのでそれを裁く裁判を始める」と冷酷な口調で宣言した。
「被告人の反論は一切認めません」とギムリも冷静に告げた。 
「君達、僕は女王陛下から直々に任命された隊長なのだ、こんな
横暴が許されると想っているのか!」とわめき散らすギーシュに
サイトが目ばくせするとギーシュの口に猿轡が噛まされてしまった。
マリコルヌが訴状を冷ややかな口調で読み上げる。
「主文、被告人ギーシュ・ド・グラモンはオンディーヌ騎士隊の隊長
である身に関わらず、女性と少しでも一緒にいたいという気持ちを抑
えずに行動し、騎士隊の行動に多大な影響を与えたので騎士隊の名を
傷つけた名誉毀損の罪でここに起訴する」「レイナール、どう思う?」
「やっぱり隊長なのだから騎士隊の事を考えてから行動すべきだと僕は
思う」と言うと他の隊員も「そうだ、そうだ」「隊長だからと図に乗る
な」「この色ボケ」と声を荒らげる。「裁判長、判決は?」
レイナールが尋ねるとみんなで「隊長解任!」と声があがる。
ギムリが判決を高々と読み上げた。
「被告人を即刻、隊長の職を解任と共にオンディーヌ騎士隊からの
追放並びにサイト副隊長の隊長昇格をここに宣言する」
「そうだそうだ!」「サイト隊長万歳!!」
サイトは冷酷な笑みで「さ、用のない奴はさっさと出ていけ」
と言ったところに「サイト、大変よ!」とルイズが走ってきた。
「どうした、ルイズ?」「モ、モンモランシーが…」涙声で
ルイズは言った。「キュルケが止めたけど一歩遅く土の塔の屋上
から飛び降りたの、シルフィードがキャッチしようとしたけど
一歩遅くて頭を強打して意識不明なの…」と言った途端にサイト
に抱きついてきて大粒の涙を流した。
「モ、モンモランシー!!僕はなんという取り返しのつかない事
をしてしまったのだ〜」とギーシュは崩れた。
するとマリコルヌが突然サイトに聞いた。「なあ、サイト…。
こいつ殺していいかい?」ギーシュは答えた。
「ああ、君達。僕の事を殺してくれ…今すぐに」
するとみんな突然吹き出した。「何だよ、僕が本気で言っているのに!!」
「いや、悪い。悪い。まさかほんとに引っ掛かるとは思わなくてよ!」


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