ゼロの使い魔保管庫
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X00-42-19のつづきです。 オークション前日 アカデミーに以前依頼されていた、鎧の先行試作品が水精霊騎士隊の数だけ出来上がったとの連絡を受け、今日才人は、水精霊騎士隊と一緒に王宮に出向いた。 「いやあ我々水精霊騎士隊に最新の鎧を下賜して頂けるとは、期待の大きさに身が引き締まる思いだよ」 「サイト、君の鎧を研究して、作成されるって聞いたんだけど、具体的にどういう風になるんだい?」 「知らねぇ、只調べられただけだから」 「着いてのお楽しみって訳か」 王宮 「水精霊騎士隊、王命により只今参上致しました」 「御苦労様です。では早速試着してみてください」 試着している鎧を見て才人は吹いた。 「俺の鎧と色違いー?!」 色こそ銀色を基調にしていたが、外見は才人の鎧そっくりだった。 元の色は、こげ茶色ぽっかった筈。メッキでもしたのだろうか?。 「貴方の鎧を目標に作成して来たんだから、似てるのは仕方ないでしょ」 「エレオノールさん。形だけ真似しても」 「形だけの訳ないでしょ。ま、貴方には分からないでしょうけどね」 「どんな工夫したんです?」 「すいません、ルイズのお姉様。一寸宜しいでしょうか?」 「エレオノールよ。名前位覚えて欲しいわね。で、何でしょうか?」 「この鎧、僕達で少し手を加えても宜しいでしょうか?」 「手を?一体何をするつもり?」 「いえ、硬化と固定化を掛けるだけです」 「硬化を掛けると硬くなるけど、衝撃に弱くなるわよ」 「レイナールが言うにはですね。……………という事らしいんですよ」 「成程、もし其れが上手くいけば、大幅な防御力向上になるわね。でも其れには検証の必要が有るわね」 「サイトに協力して貰いますよ」 「俺が?」 「ああ、君が一番攻撃力が有るからね」 ギーシュ達は、レイナールの指示の下、鎧に硬化と固定化を掛けた。 「サイト、鎧に斬り付けてくれたまえ」 「ホントに大丈夫か?」 「多分ね。最悪死ななければ、何とかなるだろうし」 「怖い事言うな―」 実験台は、ギーシュであった。 「ま、サイトの腕に期待するよ。只力を抜き過ぎないでくれよ。検証にならないから」 (レイナールの奴、性格アカデミー向きだな) 「じゃあ行くぞ!失敗したらレイナールを恨めよ」 「殺さないでくれたまえ。モンモランシーが悲しむから」 才人は、デルフリンガーを握りしめた。 ルーンが輝き、デルフリンガーと才人が、光に包まれた。 才人は、一足跳びでギーシュに斬り付けた。 「ガシッ」 「き、斬れねえ?」 鎧には、傷一つ付いていなかった。 「おでれーた。小僧共てーしたもんだ。表面部分に硬化を掛けて剣圧を分散させたのか。成程、こいつあ斬れねえや」 「デルフ、どういう事?」 「相棒に分かりやすく言うとだな、刃の部分なら斬れるが、胴体部分じゃ斬れねえだろ」 「ああ、そういう事か」 「簡単に言えばな」 「詳しく説明してやるよ。硬化を掛けた表面で衝撃を受けた瞬間鎧全体に力を分散させて、掛かっていない内側で力を吸収したんだよ。だから斬れなかったんだ」 「其の上、4系統のスクウェアメイジによる固定化を掛けられている。更にアカデミーの工夫で風石を利用して露出部分を防御する仕掛けがあるな。元々高い防御力がこれらの工夫で人間相手なら無敵に近いな」 「その剣、何なの?」 「こいつは、初代ガンダールヴが使っていた剣ですよ。名前はデルフリンガーです」 「何ですって!!貸しなさい!研究するから」 「駄目です!こいつがいないといざという時大変なんですから」 「エレオノール殿、諦めて下さいまし。この剣はガンダールヴと共にある剣なのですから」 「陛下にそう言われては仕方有りませんわね。研究したい物が目の前に2つも有るのに大変残念ですわ」 「それにしてもその鎧は、凄いぜ。相棒の鎧が無ければ間違いなくハルケギニア最強の鎧だあね」 「そんなに凄いの?」 「相棒がこの鎧を斬ろうと思ったら、ゴールドドラゴンアーマーの助力か娘っ子の『ラグナ・ブレイド』が必要だあね」 「其処まで凄いのかよ!俺もそうだが分不相応な鎧だよな」 「そんな事は有りませんよ。持ち主に相応しい鎧だと私は思いますわ」 「そうですかねえ」 「勿論ですわ。それから明日のオークションに備えて今日は、全員王宮にお泊り下さいませ。詳しい事は、アニエスから伺って下さい」 「畏まりました」 隊員達は、アニエスに宿舎に案内された。 しかし才人の部屋は、無かった。 「アニエスさん、俺の部屋は?」 「貴様は、陛下の寝室だ。貴様は、明日主賓の一人だ。故に警備の仕事は無い。従って宿舎の部屋は、宛がわれない。それと他の主賓も勢揃いしているぞ。他に『お姉様の従者なのね、きゅい』と話していた女も居たな」 (何!シルフィードが来ているだと!今日泊ったら殺される) 「帰っちゃ駄目ですか?」 「当然だ。陛下は、今日の為に人数分の避妊薬を買われたぞ。枢機卿が結婚式の前にお子を宿さなければ良いとの事でな。とてもお喜びだったぞ」 (枢機卿のバカー) 「そういう訳なのでこいつは預かっておくぞ」 アニエスは、才人からデルフリンガーを取り上げた。 「相棒、死ぬなよ。相手が一度に5人じゃ大変だが相棒なら出来る」 「何を根拠に言ってんだー」 「つべこべ言うな、これは貴様の運命だと思って、全員悦ばせろ」 「んな無茶な」 「いいから、さっさと入れ」 才人は、アニエスに押され寝室に入って行った。 才人を待つのは、天国に続く階段か、はたまた地獄に続く階段か。
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X00-42-19のつづきです。 オークション前日 アカデミーに以前依頼されていた、鎧の先行試作品が水精霊騎士隊の数だけ出来上がったとの連絡を受け、今日才人は、水精霊騎士隊と一緒に王宮に出向いた。 「いやあ我々水精霊騎士隊に最新の鎧を下賜して頂けるとは、期待の大きさに身が引き締まる思いだよ」 「サイト、君の鎧を研究して、作成されるって聞いたんだけど、具体的にどういう風になるんだい?」 「知らねぇ、只調べられただけだから」 「着いてのお楽しみって訳か」 王宮 「水精霊騎士隊、王命により只今参上致しました」 「御苦労様です。では早速試着してみてください」 試着している鎧を見て才人は吹いた。 「俺の鎧と色違いー?!」 色こそ銀色を基調にしていたが、外見は才人の鎧そっくりだった。 元の色は、こげ茶色ぽっかった筈。メッキでもしたのだろうか?。 「貴方の鎧を目標に作成して来たんだから、似てるのは仕方ないでしょ」 「エレオノールさん。形だけ真似しても」 「形だけの訳ないでしょ。ま、貴方には分からないでしょうけどね」 「どんな工夫したんです?」 「すいません、ルイズのお姉様。一寸宜しいでしょうか?」 「エレオノールよ。名前位覚えて欲しいわね。で、何でしょうか?」 「この鎧、僕達で少し手を加えても宜しいでしょうか?」 「手を?一体何をするつもり?」 「いえ、硬化と固定化を掛けるだけです」 「硬化を掛けると硬くなるけど、衝撃に弱くなるわよ」 「レイナールが言うにはですね。……………という事らしいんですよ」 「成程、もし其れが上手くいけば、大幅な防御力向上になるわね。でも其れには検証の必要が有るわね」 「サイトに協力して貰いますよ」 「俺が?」 「ああ、君が一番攻撃力が有るからね」 ギーシュ達は、レイナールの指示の下、鎧に硬化と固定化を掛けた。 「サイト、鎧に斬り付けてくれたまえ」 「ホントに大丈夫か?」 「多分ね。最悪死ななければ、何とかなるだろうし」 「怖い事言うな―」 実験台は、ギーシュであった。 「ま、サイトの腕に期待するよ。只力を抜き過ぎないでくれよ。検証にならないから」 (レイナールの奴、性格アカデミー向きだな) 「じゃあ行くぞ!失敗したらレイナールを恨めよ」 「殺さないでくれたまえ。モンモランシーが悲しむから」 才人は、デルフリンガーを握りしめた。 ルーンが輝き、デルフリンガーと才人が、光に包まれた。 才人は、一足跳びでギーシュに斬り付けた。 「ガシッ」 「き、斬れねえ?」 鎧には、傷一つ付いていなかった。 「おでれーた。小僧共てーしたもんだ。表面部分に硬化を掛けて剣圧を分散させたのか。成程、こいつあ斬れねえや」 「デルフ、どういう事?」 「相棒に分かりやすく言うとだな、刃の部分なら斬れるが、胴体部分じゃ斬れねえだろ」 「ああ、そういう事か」 「簡単に言えばな」 「詳しく説明してやるよ。硬化を掛けた表面で衝撃を受けた瞬間鎧全体に力を分散させて、掛かっていない内側で力を吸収したんだよ。だから斬れなかったんだ」 「其の上、4系統のスクウェアメイジによる固定化を掛けられている。更にアカデミーの工夫で風石を利用して露出部分を防御する仕掛けがあるな。元々高い防御力がこれらの工夫で人間相手なら無敵に近いな」 「その剣、何なの?」 「こいつは、初代ガンダールヴが使っていた剣ですよ。名前はデルフリンガーです」 「何ですって!!貸しなさい!研究するから」 「駄目です!こいつがいないといざという時大変なんですから」 「エレオノール殿、諦めて下さいまし。この剣はガンダールヴと共にある剣なのですから」 「陛下にそう言われては仕方有りませんわね。研究したい物が目の前に2つも有るのに大変残念ですわ」 「それにしてもその鎧は、凄いぜ。相棒の鎧が無ければ間違いなくハルケギニア最強の鎧だあね」 「そんなに凄いの?」 「相棒がこの鎧を斬ろうと思ったら、ゴールドドラゴンアーマーの助力か娘っ子の『ラグナ・ブレイド』が必要だあね」 「其処まで凄いのかよ!俺もそうだが分不相応な鎧だよな」 「そんな事は有りませんよ。持ち主に相応しい鎧だと私は思いますわ」 「そうですかねえ」 「勿論ですわ。それから明日のオークションに備えて今日は、全員王宮にお泊り下さいませ。詳しい事は、アニエスから伺って下さい」 「畏まりました」 隊員達は、アニエスに宿舎に案内された。 しかし才人の部屋は、無かった。 「アニエスさん、俺の部屋は?」 「貴様は、陛下の寝室だ。貴様は、明日主賓の一人だ。故に警備の仕事は無い。従って宿舎の部屋は、宛がわれない。それと他の主賓も勢揃いしているぞ。他に『お姉様の従者なのね、きゅい』と話していた女も居たな」 (何!シルフィードが来ているだと!今日泊ったら殺される) 「帰っちゃ駄目ですか?」 「当然だ。陛下は、今日の為に人数分の避妊薬を買われたぞ。枢機卿が結婚式の前にお子を宿さなければ良いとの事でな。とてもお喜びだったぞ」 (枢機卿のバカー) 「そういう訳なのでこいつは預かっておくぞ」 アニエスは、才人からデルフリンガーを取り上げた。 「相棒、死ぬなよ。相手が一度に5人じゃ大変だが相棒なら出来る」 「何を根拠に言ってんだー」 「つべこべ言うな、これは貴様の運命だと思って、全員悦ばせろ」 「んな無茶な」 「いいから、さっさと入れ」 才人は、アニエスに押され寝室に入って行った。 才人を待つのは、天国に続く階段か、はたまた地獄に続く階段か。
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